メンエスセラピストとして働く女性のほとんどは、店舗に在籍し、個人事業主として報酬をもらう方が大半です。しかしここ最近、店舗在籍を卒業してフリーセラピスト・オーナーセラピストとして独立するという方も増えているようです。
そもそも、店舗在籍セラピストとフリーセラピストには、どんな働き方の違いがあるのでしょうか。なんとなく儲かりそう、自由そう……というイメージのある独立。今回はオーナーセラピストとして長く活躍する女性やフリーとして独立していくセラピストさんを見守る店舗オーナーさんなどドドンと7名を召喚!リフガイド的・セラピスト独立のメリットやデメリットを考えていきます。
現役独立セラピストが語る「独立にまつわる苦楽」
ということでまずお話を伺いに行ったのは、リフガイドも常日頃からお世話になっているフリーセラピストさん、オーナーセラピストさんたちです。実際に独立や開業を経験している彼女たちなら、独立にまつわる楽しさも苦しさも、全部わかっているはず!
オーナーセラピスト・高垣レイナさんの場合
まずはリフガイドの人気連載「トップセラピストに聞く」にも出演していただいた、Fantasista恵比寿Room-ファンタジスタ-・cococaraspa-ココカラスパ-の両店舗でオーナーを務める高垣レイナさんに早速インタビュー。多くのセラピストさんを雇い入れている敏腕オーナーさんですが、独立・開業に不安はなかったのでしょうか。
久留米 高垣さんは現役セラピストオーナー店の中でも、しっかりとセラピストさんの人数も多い店舗を経営されていますよね。一人で独立をするのとは、また違った苦労もあったのではないかと思いますが……。
高垣 オーナーとしてセラピストを雇うとなると、一人で独立する以上の責任が出てくるという部分はあったかもしれません。オーナー就任当時は、自分の名前は売れていても、お店そのものや他のセラピストさんの知名度を伸ばすことに苦戦しました。自分にはお客さんが入るけど、在籍セラピストさんになかなかお客様をつけることができなくて……。
でもお店の経営を考えると、自分だけでもしっかり人数はこなしていかないといけません。お金の管理や電話対応、セラピストさんのケア、広告媒体の更新、講習や面接……接客もしながらこれらを行っていくのは、生半可な覚悟ではできないことだったと思います。
久留米 大変だった時期も長かったと思いますが、後悔はないですか?
高垣 後悔は全くないですね。一人で独立するのとオーナーとして経営をするのでは、働き方は全く違うとは思います。確実にオーナーの方が忙しいけど「みんなで」居場所を作っていく楽しさは、オーナーならではだったと思います。
ただ、オーナーやフリーとして独立するセラピストさんって、店舗で売上を出していた方が多いと思うんですけど……その時の自分のプライドは捨てなくちゃいけないと思います。店舗をまわすためには、自分の接客時間を割いてでも、他のセラピストさんにお客様をつけたり、ケアに時間を割いたりということは必要になってきます。かわいい子を雇えばもっと儲かる、と単純に考えられる問題ではないかなと。
高垣さんの場合、オーナーになってすぐの時期は、店舗在籍セラピストとして働くよりも月の給料が少なかった時期もあるそう。しかし、経営者として新しいスキルを獲得することができたり、現役セラピストを退いてもメンズエステに関わっていけることなど、メリットも多く感じているそうです。
オーナーとしてのメリットは、長い目で追求していくべきなのかもしれません。独立の際は所属店舗と話し合って、活動名をどうするか、お客様に告知するかなどしっかり取り決めをしたそう。
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オーナーセラピスト・環れいかさんの場合
次にお話を伺ったのは、現在オーナーセラピストとして個人店「人形町ラ・ミューズ」を経営する環れいかさん。どんな紆余曲折があって個人店オーナーというキャリアに落ち着いたのでしょうか。
久留米 他のセラピストさんを受け入れていた時期もあったとのことですが、個人店を経営するようになったのにはなにか理由があったんですか?
環 元々個人店としてスタートしていて他のセラピストさんがいた時期は短くて私の補助的なお手伝いのようなポジションでした。他のセラピストさんがいた時期は一時的で、今2年ほど個人店を続けているところなのですが、お店の集客と他のセラピストさんのケアや講習、自分の接客の両立が大変だったので、スッキリと身軽になって一人のオーナーセラピストとしてやっていこうと思いました。
個人店になったら肩の力が抜けたので、こっちの方が向いているのかなと思っています。
久留米 個人店をやっていて、メリットに感じる部分はどこですか?
環 自分の力が売上にもろ反映されるので、やり甲斐はあると思います。その分、実力が不足していればすぐに続かなくなると思いますが……。フリーのお客様という概念がなく、ほとんどがリピーター様か、SNSである程度自分を知ってくれていてご来店される方なので、接客では気を張らずにのびのびできます。
でも個人店にしろオーナーにしろ、ある程度のメンタルの強さと自己管理能力が必須になってくると思います。予約を埋めないとお金が入ってこないのに、賃貸固定費などはかかり続けることになります。お金のことに頭を悩ませて、心が潰れてしまうセラピストさんを見たこともありますから……。
店舗経営は想像以上に実力主義、ということを痛感しているそう。メンタルは強い方だという環さんでも、在籍セラピストさんを守りながら経営の心配をしているうちに、少しづつストレスが溜まってしまった時期もあったようです。
メンズエステはオイルやタオル代など、細かな雑費も含めると、たとえレンタルサロンを借りての独立だとしても、ただ経営しているだけでお金がかかります。そういう意味では「赤字の月」が発生する可能性もあるということは、頭にいれておかねばいけないということです。
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オーナーセラピスト・栗原さんの場合
最後は渋谷RANDのオーナーセラピスト・栗原さんです。渋谷RANDは店舗としても少し特殊で、他店と掛け持ちしながら働くベテランセラピストも多いそう。立ち上げ当時は共同経営だったということもあり、独立に関する考え方にも独自性がありそうです。立ち上げ時のお話は「トップセラピストに聞く」の方で詳しく語ってくれているので、参考までにどうぞ!
久留米 渋谷RANDは女性オーナー店としても有名で、業界からの評判もすごいですよね。そのコツってなんだったのでしょうか?
栗原 私自身、できることとできないことの差がとても激しい人間なので、個人での独立ではなく、みんなでお店を作っていこうという気持ちで始めることができたのがとても大きかったのだと思います。今でこそ経営面は私が取り仕切っていますが、当時から身の回りに助けてくれる人も多かったので、普通のオーナーセラピストさんよりもストレスを分配できていたと思います。
久留米 RANDはセラピストの横の繋がりを大切にしているとお伺いしましたが、他の女性オーナーやフリーセラピストさんから、お悩みを聞くこともありますか?
栗原 そうですね……もともと接客や施術に関しては自信があったけれど、経営面で悩みを抱えて、とご相談いただくことは多いです。求人や採用周り、広告や集客など、努力がそのまま実るとも限らない不確定なことも多いので「だめでもがんばる」という気持ちがないと難しいのかなとは思います。
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オーナーセラピスト目線での独立のメリット・デメリット
お話の中で、具体的な独立のメリット・デメリットも多くあげていただきましたので、こちらにまとめてみます。
メリット
・お店のコンセプトやサービスなど自分で設定できる
・売上−経費がそのまま自分のお給料になるのでモチベーションになる
・スタッフや他のセラピストに気を使わなくて済む
・お店のコンセプトに囚われず、自己表現できる
デメリット
・広告費や家賃、消耗品、光熱費など固定費がかかってしまうこと
・新しいお店は最初知名度が低く、新規が入りにくいことも
・何かあったときに自分で対応しないといけない為、女の子1人だと危ない
・物件探しが意外と大変で、貸主と揉めて潰れてしまうお店も
メリットとして挙がったのは、在籍時より「自由なお店づくり」ができるということ。ただし、働き方に関しては在籍時の方がシフトも自由で時間もあったという意見も多かったです。
デメリットとしては、在籍していればかからない固定費がかかることや、物件やお客様とのトラブルの際に大事になりやすいことなどが挙がりました。
現役メンズエステオーナーが語る「独立するセラピストたちに思うこと」
次は、実際に店舗を運営しているオーナーや店長さんたちに、店舗に在籍するメリットを聞きながら、独立していくセラピストに思うことをお伺いしてみました。オーナーセラピストさんたちのお話と比較すると、見えていなかった在籍のメリットも見えてくるかも?
店舗型メンズエステ「ラグタイム神田」店長さんの場合
神田にある店舗型メンズエステ「ラグタイム」は、東京都内にいくつかの店舗を持つ大型メンズエステです。業界でも有名なメンエスの一つであり、在籍するセラピストさんの中には知名度の高い人も。だからこそ、店舗から独立していくセラピストさんも見送ることがある店長さんに、その胸中を聞きました。
ラグタイム神田 ~LuxuryTime~
久留米 店長さんが考える「店舗在籍のメリット」ってなんだと思いますか?
ラグタイム店長 大きく3点上げるならば『安全面』『集客力』『サポート』かと思います。
まず『安全面』に関しては、例えばラグタイムは会員制となっておりますので、当店をご利用頂くお客様の顧客管理を店舗が行っております。フリー、独立となれば、お客様と直接のやり取りが必要になり、時にはトラブルが生じたりする事もあるのではないでしょうか。店舗に在籍を頂く事でお客様対応は我々スタッフが行いますので、お店に守られた上で安心してお仕事をして頂く事が可能です。
次に『集客力』に関してです。ラグタイムではTwitterだけでは無く公式サイト、各種媒体サイト、求人サイトへ広告宣伝を行っております。個人セラピストで同じ集客をする事は並大抵では無いかと考えます。
最後に、『サポート』に関してです。ラグタイムではスタッフをはじめ、女性の専任講師もほぼ毎日出勤しております。面接、体験入店から、お客様の接客での悩み事、シフトの相談、時にはプライベートな相談etc…様々な面で出来る限りのサポートをさせて頂いております。在籍女性1人1人に愛情を持って接する事、これは店長としての私の仕事に対する在り方です。
久留米 このすべてを自分でやるということだけでも、すごく大変なことですよね。独立したい、ということをセラピストに相談されたら、どうしますか?
ラグタイム店長 まずはそのセラピストさんの目指す目標やビジョン、を詳しく聞くと思います。その上で独立する事でのメリット・デメリット、店舗へ在籍する事でのメリット・デメリットを話します。全てを話した上で、最終的には本人の考えを改めて聞くと思います。
久留米 独立したセラピストさんと揉めてしまったことなどありますか?
ラグタイム店長 独立問題で揉めたことはないですが、他店で独立したセラピストさんが、店舗で得た集客を引っ張っていって揉めたという話は耳にしたことがあります。基本は、在籍店舗としっかり話し合うのが筋なのではないかと思います。その子にしか入らないというお客様もいらっしゃるでしょうし、独立に限らず店舗替えの際にも問題になることだと思いますが……お互いに誠心誠意話し合えるのが一番かと思います。
ラグタイム神田の店長さんは、店舗での信頼も厚くセラピストさんからも一目置かれている存在です。セラピストさんとは、出勤していない日もLINEなどでほぼ終日中やり取りをすることもあるそう。
オーナーセラピストさんたちからは「自身のメンタルケアが大変な時もある」という意見も出ましたが、いい店舗に在籍すれば、スタッフやオーナーさんがしっかり心のサポートをしてくれます。ラグタイムのような大型店だと、店舗の知名度が高かいので個人集客だけに頼らず続けることができるのも一つのメリットですね。
≪店舗情報≫
ルーム型メンズエステ「たまいち吉祥寺」オーナーの場合
吉祥寺にあるメンズエステ「たまいち」は、セラピストがレンタル代としてルーム料金払うレンタルサロンに近い形式のメンズエステですが、予約などの顧客対応はオーナーさんがしてくれるという珍しいスタイルの店舗です。もともとメンズエステが大好きで開業したというオーナーさんに、独立について思うことを聞きました。
久留米 たまいちの経営スタイルは、レンタルルームと店舗在籍の中間といった雰囲気ですよね。
たまいちオーナー 固定費を天引きするのでなく、払ってもらうスタイルなので、独立を考えているけれど、まだ不安というセラピストさんがお試ししてみるのに向いている店舗だと思います。メニューは自由に組んでいただいていますが、経営周りはオーナーである私がしっかりやっているので、より自由度の高い店舗在籍になると思います。
今の店舗で自分らしさが出せていない人、もう少し自由度が欲しいという人がたまいちで働いてみると「独立までしなくても、このくらいがちょうどいい」とい言ってくれるんです。
久留米 なるほど!ちなみにオーナーさんは、セラピストの独立についてどのように考えておられますか?
たまいちオーナー 独立って、自分らしい施術の自由度か、もっと稼ぎたいかの二択が原動力になることが多いと思います。前者の方なら、メニューに自由度を追求できる店舗に在籍することで解決できるのではないでしょうか。
たまいちはルームもセラピストさんがコーディネートできるようにしてあるので、自分の世界観まで表現できるんです。経営を学ぶのには時間がかかりますし、金銭面で不安を抱えるストレスを恐れる人も多いでしょう。メンエスに限らず、仕事においてきちんと自分の発想を表現できれば、それで満足という人も多いと思います。
実際にたまいちで働いたのちに独立もしたセラピストもいれば、今も独立を目指して働いてるセラピストもいます。既に個人で活動しているセラピスト、さらに店舗に守られて働きたいセラピストなど多様なセラピストのニーズにたまいちは応えて支援を続けています。
≪店舗情報≫
ぶっちゃけトーク:港区メンズエステ「X」元オーナー
最後は事情があって匿名出演となる、港区にあるメンズエステの元オーナーがぶっちゃけトーク。自店から独立するセラピストを多く見送ってきたオーナーが、今思うこととは……。
久留米 オーナーとしてセラピストさんと関わる中で、セラピストさんの独立についてはどのように考えていますか?
元オーナー 僕はメンズエステ以外でも経営周りの仕事をしているのですが、セラピストの独立も、売れてる営業マンが会社から独立するのと一緒といえば一緒だと思っています。ただ、もともと雇用形態が曖昧なため、独立にまつわる取り決めがしっかりされていないので、お店とのトラブルは起きやすいと思います。
お客様の引き抜きや裏引きなど、モラルの問題としか言いようがない部分も多い。独立するのはいいですが、業界は意外と狭いので、ちゃんと処理していかないと後々尾を引くと思いますよ。
久留米 実際に独立していく子を見送ったこともありますか?
元オーナー もちろんありますよ。きちんと話し合いをしていく人もいれば、独立してオーナーになろというのに私との距離感がおかしい子もいます。集客や経営のことを教えてくれと言われた時は、それならコンサル代をくれないと、と交渉したこともあります。同じいち経営者になるというのに、独立をビジネスで捉えられていない子もいる。そういう子はまず、オーナーになることは向かないでしょうね。
そもそもセラピストと店舗は、あくまで業務委託契約がほとんどです。セラピストは店舗に対して備品や部屋の運営、それから広告費捻出を含んだマネジメント委託しているんです。在籍していても、自分は個人事業主というスタンスがないと、独立して上手くやることはできないでしょうね。独立したら儲かる、と短絡的に考えてしまう子は、そういった目線が抜けていないか振り返ってみてほしい。経営者として独立するなら、自分優先感を出しすぎないようにしないと、取引先であるお客様にも見抜かれると思いますよ。
「X」のオーナーさんからは、店舗が天引きしている様々な「管理費」の捉え方に関するするどい指摘が。たしかに独立すればブラックボックス感はなくなりますが、結局自分で固定費を払わなければいけないことを考えると、やはり手放しで「独立=儲かる」と考えるのは危険。
店舗オーナー目線での「店舗在籍のメリット・デメリット」
お話の中で、具体的な店舗在籍のメリット・デメリットも多くあげていただきましたので、こちらにまとめてみます。
メリット
・お客様と直接やり取りする機会が少なく安全
・店舗の集客力を借りることができる
・固定費がかからない、赤字になることがない
・それなりに営業期間が長いお店へ在籍すると、認知度のスタートアップが早い
・お店からのお客様(お店からのフリーのお客様)を接客できる
・準備するもの、用意するもの(備品、衣装含めて)がほぼ無い
・お客様がゼロの時の待機保証がある店舗も
・トラブルなどの対応をお店に任せることができる
デメリット
・きちんと確認しないと、お店からの天引き内容がブラックボックス化する
・メニューやコンセプトに縛りがある
・過激な接客を求める店舗もある
・相容れないルールを強要される場合もある
サポート面や安全性を考えても、店舗在籍のメリットは多いですが、一部店舗で過激な接客を求められたり、自分と合わない店舗でキャラクターを強要されてしまうことはあります。独立を考える前に、自分に合った店舗選びをしっかり考えてみることも重要です。
特別インタビュー:オーナーセラピスト二宮あゆみさんの見解
最後に今回の大人数インタビューを踏まえて、自身もオーナーセラピストとして個人店を構える二宮あゆみさんに、独立にまつわる見解をお伺いしました。
久留米 二宮さん自身も独立されて長いと思いますが、実際のところどうですか?
二宮 正直言って、私は私以外の人にフリーセラピストとしての独立はすすめません。確かに自由度はありますが、それ以上に大変なことが多すぎます。固定費がかかることはもちろん、メンタルバランスの自己管理、お客様トラブルへの対応など含めると、店舗在籍にまさるメリットらしいメリットはないのではないかと思います。
お給料も、相当働かないと「在籍時より儲かる」ということにはなりませんね。レンタルサロンを借りて賃貸代を下げるとしても、無断キャンセルされることだってある。固定費は出ていき続けるのに、自分の時間が無駄になるかもしれないことにそなえるには、相当強靭なメンタルが必要ですよ。
久留米 実際心折れる人も目にされていますか?
二宮 SNSではそういう子も見かけますね。私自身、SNSでは強いキャラクターを見せているので、標的になることもあります。それだって、店舗にいれば相談できますが、個人でやるからには自分で抱えないといけません。独立してお金のことが不安になると、どうしても他人に対して疑心暗鬼になる人もいます。お金と仕事が不安定な状態って本当に死活問題なので、在籍時の安心感とは対極にあると思います。
久留米 二宮さんから見て、店舗在籍にはどんなメリットがありますか?
二宮 他の人も色々あげてくれていましたが、他の在籍セラピストさんと比較検討してもらえることも一つのメリットだと思いますよ。魅力が違うから引き立つこともあるし、他のセラピストさんからお店のHPを見てもらえて、見つけてもらえることもある。個人と比べると、明らかに集客の導線が多いと思います。
久留米 やったからこそ分かる、独立における危険性などありますか?
二宮 やっぱり、トラブルの際になめられやすいことが一番怖いことですね。私なんて、DMで「女の子一人でこんなことやるんだから、レイプされても仕方ないと思っているんだよね?」と新規予約の方に言われたことすらあります。明らかに脅迫ですが、弁護士に頼むにもお金がかかりますしね。
あとは、プライベートとの境界線が曖昧になりやすいのも危ないところですね。他にスタッフがいないとなると、急に友だちのような距離感で話しかけてくるお客様もいます。プライベートで会ってしまうと個人売春的になりかねないし、何かあった時に法で守ってもらいづらくなります。「お店でNGなので」という言い訳が通りづらいのも、独立セラピストのデメリットでしょうね。
久留米 これから独立を考える人に伝えたいことはありますか?
二宮 まず、独立することにどんな意義があるか真剣に考えてみてほしいですね。自由な接客をさせてくれる店舗は探せばある。もっとお金を稼ぎたいとしても、固定費分以上稼ぎを出せる保証はありません。個人店でお茶を引くのはつらいし、独立店を辞めて在籍に戻っても、なんとなく「出戻りの人」という印象がついてしまいます。一人で経営、広告、マーケティング、接客、店舗づくりまで行うのは本当に大変です。
それでも成功する方もいらっしゃいますが、中には失敗してむしろ過激な接客をするようになってしまったという話も聞きます。メンエスって業界が狭いので、このままだと「個人店=グレーで過剰」というイメージがつく可能性も。民度は皆で作っていかねばいけないし、経営者にはその覚悟が必要だと思います。
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二宮あゆみ的お店選びのポイント紹介!
▶しっかり売上を上げ続ける現役セラピストの元で成長したい、HPもしっかりしていて、安定した店舗で働きたいなら「cococaraspa-ココカラスパ-」へ
▶比較的自由度が高く、SNSなどでも横のつながりが強いうえ研修も本格的なリラクゼーション技術が学べる。個性を自分でアピールできる女の子は個性派な女の子が好きな既存のお客様が多い「渋谷RAND」へ!
▶レンタルサロンに一番近く、自由度も高く在籍ができる。独立に一番近い状態で働ける「たまいち吉祥寺」はオーナーさんの人間性が抜群!
▶集客、サポートがしっかりしていて安心できる店舗型のお店。右も左もわからない状態や、未経験だったりで不安が大きいと思ったら「ラグタイム神田」で男性スタッフのサポートを受けながらスタートしてみましょう!
【まとめ】独立や出店には覚悟が必要!熟慮して
今回たくさんの人に話を聞きましたが、口を揃えて出た意見は「目に見えていない今の環境のメリットがあるし、独立のデメリットがある」ということでした。自由そう、稼げそう……そんなイメージで手軽にできることではなく、様々なデメリットも加味して、それでもいち経営者としてやっていく覚悟を持てるかどうかがトリガーになりそうです。
メンエスに限らず、独立や新規出店は簡単なことではないでしょう。行列のできる人気ラーメン店で修行を積んでも、運が悪ければ自分が出したラーメン屋は儲からない……ということもあります。今回当事者の方々があげてくれたメリット・デメリットや、自由度の高い店舗などへの鞍替えも選択肢にいれながら、じっくり比較検討してみましょう。
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