トップセラピストに聞く！ 渋谷『RAND-ランド-』栗原／女性セラピストの共同経営で始まった店舗が、個性的なセラピストの集まる「有名店」になるまで

トップセラピストに聞く！『RAND-ランド-』栗原

メンズエステ界で活躍する人気セラピストを恋愛コラムニストとしても活躍する、ライターの久留米あぽろさんがリフガイド女子部としてインタビューします。今回は多くのセラピストから支持される渋谷のお店「RAND-ランド-」のオーナーセラピスト栗原さんにお話をうかがいました！

女性セラピストたちが数名集まって立ち上げたお店

今回はトップセラピスト取材を続ける中で、様々なセラピストさんから名前が上がっていたとある有名店のオーナーと連絡を取ることに成功しました。

その名も「渋谷RAND」。女性セラピストたちが数名集まって立ち上げたというこのお店、業界でも「働きやすそう」「施術レベルも高い」と話題なのです。噂が噂を呼ぶほどのRANDの魅力を探るべく、オーナーを務める栗原さんに直撃インタビュー！

女性セラピスト有志で始まった「渋谷RAND」創設経緯

久留米　「渋谷RAND」は女性セラピストが集まって立ち上げ、人気を集めている店舗として話題ですが……立ち上げの経緯はなんだったんですか？

栗原　独立のきっかけは「所属店が閉店した」ことで、なりゆきから始まったことでした。当初所属していた店舗で仲良くしていたセラピストたちがメンエス歴も長く、実力のある子が多かったので、閉店と同時に、有志が集まって新店舗を立ち上げることにしました。そこからさらに、個性の似た人どうしで分裂しながらできたのが、今の「渋谷RAND」だったんです。

久留米　では、オーナーになったのはたまたまだった？

栗原　そうですね……でも、もともとアパレル業界で働いていたので「自分のこだわりを詰め込んだ店舗経営」というものに憧れがあったのはあったと思います。実際にRANDを立ち上げる時も、物件を選んだり内装を考えたりするのも楽しかったですしね。今は経営の方が楽しくなってしまっていて、セラピストとしてというよりも運営として働いている時間の方が長いくらいです。

久留米　セラピスト歴はどのくらいですか？

栗原　今年で7年目くらいでしょうか。エステ業界に携わったのはメンエスがはじめてで、じつは数ヶ月で辞めるつもりだったのですが、マンツーマンでの接客スタイルや「人を癒やす」というメンエスの本質が自分に向いていたこともあり、どんどん楽しくなってしまって気づいたらこんなことに……。

久留米　なりゆきの経緯から、業界でも話題の人気店に……すごいですね。

栗原　一緒に立てあげてくれたメンバーたちがそれぞれ才能のある人たちだったことも大きかったと思います。個人的に立ち上げたオーナー店だったら、もっと「私の色」が前に出たお店になっていたのかもしれないですが、立ち上げが合同経営だったからこそ「それぞれの個性が光る」という空気感がなんとなく出来上がって。

そのおかげで体験ブロガーさんたちに注目していただけたり、セラピストたちの中で話題が広がってくれたことも大きかったです。ワンマン経営ではなかったからこその良さのようなものはあったかもしれません。

人気店の採用基準、重視するのは経験より「人間力」

久留米　RANDを運営するにあたり、店舗づくりとしてこだわられたのはどんなところですか？

栗原　RANDは共同経営店からさらに分裂した店舗だったので、立ち上げメンバーも濃く個性的なメンツばかりでした。だからこそ「よりたくさんの人に来てもらえるお店」というよりは「私たちが好きで会いに来てくれるお客さんのためのお店」を目指しました。

交通の便の良さよりも、内装の雰囲気や周りの静かな環境などを優先し、落ち着いてリラックスできるお店を作ったつもりです。自分たちが関われる人の数は限られているけれど、その人たちにとっては最高の場所になるように、愛を詰め込みました。

久留米　HPの雰囲気も、女性的な独特さがあっていいですよね。

栗原　HPも店舗づくりでこだわったポイントの一つです。女性が運営していることもありクリーンさは伝えていきたかったので、いやらしさを強調しなくても魅力が伝わるようなアイコン、説明文やサイトデザインを取り入れています。

久留米　実際、RANDを訪れるお客様にはどんな方が多いんですか？

栗原　もちろん施術は楽しみにしてくれていると思うのですが、それぞれのセラピストたちの”盟友”と言えるような関係性ができているように感じますね。マッサージを受けながら人生相談をするような雰囲気というか、お客様とセラピストという単純な関係ではなく、人と人としてつながっているかけがえのない関係が構築されているような。

久留米　RANDのセラピストたちは、どうしてそのような深い関係をお客様と構築できているのでしょうか。

栗原　RANDの採用基準が、セラピストとしての技術力や経歴よりも「人として魅力的かどうか」を重視しているからですね。面接や採用は私が担当しているのですが、内面の豊かな人であれば、未経験でも採用したいという心意気でいます。今は希望者が多いので、仮採用期間を設けながらお互いの人間性をしっかりすり合わせて、RANDの空気に合うセラピストをじっくり選別しています。

久留米　人としての魅力とは、セラピストたちのどんな部分に現れるものなのでしょうか。

栗原　魅力と一言に言っても、いろんな魅力があるとは思うんですよ。カリスマ性のある子、優しさが光っている子、ていねいな子、逆に尖っている部分はあっても素敵な子だっています。なので一概には言えませんが、メンエスが好きという気持ちがあることはもちろん、話している中で「自分のやりたいこと」や「自分の強み」がはっきり分かっている子は魅力的に見えやすいと思います。

久留米　仮採用期間を設けるほど、セラピストから人気があることはやはりすごいですね。

栗原　今は15人のセラピストに在籍してもらっていますね。人数が増えてきても、みんな同じように応援してあげたいので「応援したくなる魅力のある子」がうちの採用基準です。HPに私たちのお店作りへの思いがしっかり書いてあるので、そこに愛を感じてきてくれる子も多いです。技術力や経験はこれからいくらでも養えるので、なかなか伸ばすのが難しい「人間力」のある子をお待ちしています。

メンエスにとらわれすぎず、セラピストの個性を活かす

久留米　RANDは店内講習も充実しているとお伺いしましたが……。

栗原　あ、そうなんです。というのも、キャリアの面白いセラピストが多いことや、私自身興味関心の幅が広いので、スキルを伸ばす講習会は積極的に開いているんです。店内講習は、所属セラピストのそれぞれの個性を活かして、自分の得意な部分をみんなで教え合っています。タイ古式ができるセラピストさんもいれば、フットケアが得意な子もいるので、そういう子には積極的に教鞭を握ってもらっています。

それ以外にも、私が興味のある分野で店外向け講習を開いちゃう時もあります。店内外問わず、講習は今後も積極的行っていきます。

久留米　採用にも教育も力を入れていることが伝わってきました。栗原さんの目から見て「いい店舗」とは、どんな店舗のことなのでしょうか。

栗原　お店もセラピストもお客様も、自然に振る舞っているだけでみんながハッピーでいられる店舗ではないでしょうか。お互いに「ありがとう」と言い合える関係性は素敵ですし、そのためには同じ方向を向いている人たちが集まった方がいいのかなと思います。すると、そこに興味を持ってくれる人は似た属性になるというか……小さな村を作っていく感覚なのでしょうね。

久留米　村長である栗原さんがきちんとぶれない方針と人を見る目を持っているから、こういうコミュニティが出来上がるんでしょうね。

栗原　私自身「メンズエステ」という業種にこだわっていないんですよ。ただ、アパレル時代に自分が用意した洋服で気持ちが上がる人を見ていると嬉しかったのと同じように、誰かのパフォーマンスを上げることにやりがいを感じているんです。それは、お客様もそうだし、セラピストもそうで。その人の持っている力を、最大限に引き出すお手伝いがしていきたいですね。

久留米　神保町の「RAND」も、そういった経緯で立ち上がっているのですか？

栗原　そうですね。私が今ボディコンサルにもとても興味を持っているので、神保町店には施術台があるんですよ。RANDのセラピストさんたちは複業をされている方も多いので、そういう皆の個性を活かしながら、幅広くパフォーマンス向上に関わる仕事を続けていきたいですね。

久留米　それがある意味、RANDと栗原さんの一つの方針ということですね。

栗原　はい。でも、メンエスの自由度の高さを活かして幅広いことに挑戦しながら、横のつながりは大事にしていきたいも思っています。なので、店外講習や新店舗では今まで関わりのなかった人たちともたくさん交流できればと思っています。セラピストさんには、まずお気軽に講習参加してもらえれば幸いです！

「人間性重視」というセラピストオーナーならではの視点

栗原さんはRANDのある代々木八幡付近の空気感に合う、とってもナチュラルで心地いい空気をまとった人でした。栗原さんが何度も口にしていた「セラピストは人間性が大切」という言葉は、第一線でプレイヤーとして活躍してきた女性セラピストオーナーならではの視点だと感じました。入店希望者は少なくないようですが、RANDの空気感が合う人にとっては、とても居心地のいい場所になると思います。栗原さんの空気感が気になった人は、まずは店外向けの講習に応募してみてはいかが？