トップセラピストに聞く!『スパ・ディオーサ』白羽うい
メンズエステ界で活躍する人気セラピストを恋愛コラムニストとしても活躍する、ライターの久留米あぽろさんがリフガイド女子部としてインタビューします。メンズエステが大好きという白羽ういさんにこれまでのキャリアを振り返ってお話していただきました。
若手ベテランセラピスト
毎月、歴戦の猛者(?)たちにご出演いただくことも多い本連載。個性的なセラピストたちを見ていると「自分にはできないかも」と考えてしまう人もいるかもしれません。
しかし、努力のカタチは人それぞれ。圧倒的な個性を持ってオリジナルの施術を生み出す人もいれば、好きゆえの地道な努力を重ねていく人もいます。
今回インタビューに登場してくれたのは、町田「スパ・ディオーサ」所属の若手ベテランセラピスト、白羽ういさん。齢22歳にして、すでにエステ歴は4年を迎えるそう。
メンエス界に知り合いもおらず、あこがれでメンエスに飛び込んだのは18歳のこと。現在は社会人として働きながら、好きゆえにメンエスの兼業を続けているそう。
セラピスト同士の横のつながりもなく、がむしゃらに努力した4年間の軌跡を聞きました。
18歳、憧れのメンエス界。職業としてのリスペクトを忘れず努力
久留米 白羽さんのメンエス歴について教えてください。
白羽 もともとメンエスに憧れがあって、18歳の誕生日に面接を受けに行って、現在4年目に差し掛かろうとしています。美容学生をしながらメンエスで働き、今はそのまま美容業界に従事しながら、休みの日にメンエス出勤を続けています。
久留米 18歳の誕生日に……って、すごい勇気ですよね。
白羽 もともと夜の世界に憧れがあったので、18歳になった時は嬉しかったです。といっても、最初はお茶を引いてばかりで……心折れそうになる日もたくさんありました。
久留米 つらかった日々も長かったですか?
白羽 週7で出勤しても、待機時間ばかりでしたよ。同業の知り合いもいないし、友だちにも相談できなくて、何が悪いのかも分からなくて。店外講習の存在を知ったのもずいぶん経ってからだったし、自分でもがくしかなかったんです。
久留米 変われたきっかけはあったんでしょうか。
白羽 働きやすい環境に巡り合うことができたことでしょうか。ずっと掛け持ちを続けているのですが、ワンルームタイプと出張タイプの2軸が自分には合っているみたいです。
久留米 働く環境の大切さと、一点集中しないことの大切さは、他のトップセラピさんたちからもよく聞く考え方ですね。でも、誰にも相談せずご自身で模索されたことはすごいことですよね。
白羽 はじめたては、源氏名の自分と本当の自分の切り替えができなくてつらかったです。お客さんとのやりとりで嫌なことがあっても、ニコニコの絵文字でTwitterを更新しなきゃいけない時もありますし……。でも結局「決めるのは自分だから」と思うようにしていました。
久留米 強いですね。きちんと選択に責任を持っているというか。
白羽 結局、この仕事が好きなんだと思います。嫌なことはあっても、自分にとって辞めるには値しなかったんだと思います。
それに……つらかった時、たまたま読んだ漫画で「他人が簡単にできないことを努力できるのが才能だ」というセリフを見つけて。自分にはセラピストとしての才能があるかは分からなかったけど、だからこそ努力くらいは惜しんじゃダメだなと思ったんです。
久留米 誰にでもできる仕事、と思っている人もいるかもしれないけれど、長く続けられる人は何かしらの努力をしている人ですよね。
弱い自分を受け入れて「できる努力をする」
久留米 ちなみにお茶引きの日々から脱することができたのは、所属を変えたからという理由だけだったのでしょうか。
白羽 シンプルに、歴が長くなるにつれてお客様がついてきたこともありました。売出し方っていろいろあると思うんですけど、私はSNSも得意じゃないし、色恋っぽいこともできなくて……。ただその分人間味はあるというか、今ついてきてくれているお客さんは、ソウルメイトのような方が多いんです。
お父さんのような、お兄ちゃんのような。誕生日にホールケーキを持ってきてお祝いしてくれるような関係性を、一緒に作れたことは大きかったんじゃないかなと思います。技術力だけではこうならないし、気持ちって伝わるんだなと思うことは多いです。
久留米 その間に続けていた努力などはありますか?
白羽 がんばりすぎると気持ちがつらくなっちゃうので、肩の力を抜いてがんばらない瞬間を作るようにしています。まず、営業DMを送るのは苦手なので、しないようにしています。トラブルにもなりやすいし、自分も消耗しませんから。
だからお店経由で集客してもらうことも多いけど、初対面の方にはその分ていねいに接するようにしています。
久留米 向いていないことをがんばりすぎないのは、一つ大切な考え方ですね。
白羽 楽しくなくなっちゃうのが一番よくないと思うので、がんばることとがんばらないことに自分ルールを持っておくのは大切かもしれません。
久留米 白羽さんって和やかでふわふわしているようにも見えるのに、きちんと自分の中に基準を設けているのがすごいなと思います。
白羽 自分に弱い部分があるのは分かっているからこそ、ですけどね。
「続ける努力」をしているセラピストにエールを
久留米 いろいろあったかもしれませんが、今はお店の専属講師を務めてらっしゃるんですよね。
白羽 講師として働きはじめて、セラピストたちに横のつながりがあることを知りました。それまでは、セラピスト同士って仲良くなっちゃダメなんだと思っていたんです。つながりを持ちはじめてからは、それまでの自分と同じ悩みを持つ人もいることを知って安心しましたし、その不安を拭ってあげたいとも思うようになりました。
久留米 じゃあ、今後もメンエスとお昼のお仕事の兼業を続けていきたいですか?
白羽 ベビードールが似合わなくなるまでは、続けていきたいなと思っています。高校から憧れてこの世界に入って、20歳になった時にはガールズバーやスナック、キャバクラも掛け持ちして比べてみました。でもやっぱりメンエスが一番楽しかったので、比べたからこそこの仕事が天職なんだなと思っています。
久留米 ひとりでがんばった過去を振り返って、後輩たちに伝えたいことはありますか?
白羽 まず知ってほしいのは、メンエスは誰でも入ることができる業界かもしれないけど、続けるのは簡単じゃないということです。まず、1年続けられるだけですごいこと。今メンエスを続けているみんなが、その努力をできている人です。
嫌なことがある時もあるかもしれませんが、続けたい気持ちがあるなら頑張ってほしいです。その努力さえできれば、きっとお客さんはついてくると思います。
「努力は裏切らない」けど…努力のカタチはそれぞれ
白羽さんは喋り口調も柔らかく、よくいる今どきの若い子というふうにも見えます。でもインタビューの中では、深い部分に彼女の芯が見えました。仕事が好きだからできる努力や、メンタルを保つ工夫。この仕事を通して成長してきた過程の見える取材になりました。
ご本人は謙遜していましたが、噂によれば施術もお上手とのこと。外部講習には行ったことがないとのことでしたが、日々の施術をていねいに続けてきた賜物なのかもしれません。日々講習に通うも努力、目の前のお客様を大切に、日進月歩するも努力。継続する努力が実を結んできたその姿に、見習うべき姿勢を感じました。
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